本好きプチFIREのゆるいブログ

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生き残る判断 生き残れない行動 アマンダ・リプリー/著 光文社 レビュー(5)

 思考において、注意しなければならないのは、集団心理です。人は、集団でいると、その集団の意思に知らず知らず従う傾向にあります。会社の会議でも、自分だけ反対意見を言うのって難しいですよね。ましてや、災害やテロにあった時は、事態が呑み込めない状況なだけに、独断で判断するのは一層難しくなると思います。
 ですから、非難しなければならないのに、誰も避難しない中、自分だけ非難するということが出来なくなるらしいのです。ある飛行機事故では、近い出口を無視してわざわざ他の人たちについて行ったため、亡くなった人もいるようですね。いざと言う時、しっかり思案して行動をとることができるようにならなければ、そのまま災難に巻き込まれていってしまいます。集団心理にも注意しなければならなりませんね。

 あと、誰かと繋がっていたいという気持ちも働くようです(集団心理も「誰かと繋がっていたい」という気持ちに基づいている部分もあるかと思いますね)。特に、家族や恋人への想いは強く、9.11でも事故の直後、家族や恋人に電話したり、メールしたりしていた人が結構いたそうで、その中には避難が遅れた人もいたようです。

 これらは「不安」が引き起こすものだと思いますね。一人だと不安なので、人と繋がっていたい。その気持ちも分からないでもないですが、恐怖同様、不安も思考を停止させる要素を含んでおり、注意しなければならないように思います。

 (続きます)