世界でいちばん幸せな男 エディ・ジェイク/著 河出書房新社 レビュー(1)
先日書評した、「夜と霧」に続く、ユダヤ人収容所経験者が書いた本です。「夜と霧」を読んでいた時、たまたまネットで知り、図書館で予約したものです。
「夜と霧」の著者(ヴィクトール・E・フランクル)は、精神科医であることから、学術的な内容に注視していたような感じですが、「世界でいちばん幸せな男」の著者(エディ・ジェイク)は、ドイツに住むユダヤ人中流階級出身です。そのためか、表現的には馴染みやすく、読みやすいものとなっています。
それにしても、ジェイク氏は1920年生まれですので、現在101歳。普通でもなかなか100歳まで生きられる人はまれであるというのに、収容所での過酷な生活を送りながら、100歳を超えてなお健在というのは「凄い」の一言です。
本を出版するくらいですから、認知症でもないようですし、写真を見ると、背もまがっておらずシャキッとしており、健康そのもので、とても100歳には見えません。2019年にはTEDx Sydneyで講演をしたこともあるようです。私は、「世界でいちばん幸せな男」でジェイク氏を知ったのですが、結構有名な方だったのですね。
ジェイク氏は、最後はアウシュビッツ収容所にいたそうですが、それまで他の収容所にも入れられてたようで、かなり数奇な運命を歩んでいます。その彼がどうやって、生きのびることができたのか。「夜と霧」にも書かれていた内容と合致する箇所が幾つかあります。
(続きます)