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世界でいちばん幸せな男 エディ・ジェイク/著 河出書房新社 レビュー(2)

 アウシュビッツ収容所の平均収容期間は7ヵ月だそうです。ジェイク氏は1944年2月~1945年1月くらいまでアウシュビッツ収容所にいたようですので、11ヵ月くらいいたことになります。つまり、平均収容期間以上いたわけですね。

 さて、ジェイク氏とフランクル氏(「夜と霧」の作者)の共通点ですが、
①心が折れなかったということ。
 希望を捨てなかったことですね。ジェイク氏にはクルトという友人がいたことで絶望的な局面から救われたと何度も書いています。

②ドイツ軍にとって有為であったこと。
 フランクル氏は精神科医で、ジェイク氏は機械の専門家でした(ドイツの専門学校で優秀な成績をおさめていたようです)。ジェイク氏は収容されていた時、工場の設備管理の仕事をしていたようです。ガス室に送られる手前で助かったことが3回もあると記載されてました。
 また、医者はかなりの人数が収容されていたようです(「ドイツに住んでいた中流階級ユダヤ人の1/5は医者だったようだ」と記載されています)

③体力があったこと。
 1945年の段階で、フランクル氏は40歳。ジェイク氏は25歳でしたが、年齢によらず、体力がなければ生きながらえなかったように思います。実際、ジェイク氏が怪我を負った時に優しく手当をしてくれた医師からは、「ここでは、無駄な体力を使わないことだ」と諭されて、体力の温存に意識を向けていったと書かれています。

 (続きます)