生き残る判断 生き残れない行動 アマンダ・リプリー/著 光文社 レビュー(4)
2.思考
人は、否認しても否認しきれない現実に直面し、考え始めるようです。だが、迫っているのは非常事態。何を考えればいいのやら。
人は、ストレスを感じれば感じるほど、視野狭窄に陥いるそうです。自動車を運転中に携帯電話で話をしてはいけない理由がここにあります。運転と電話の2つをすることでストレスを感じ、視野狭窄になるそうです。脳は一度に一つのことを集中するようになっているようですね。気をつけなければならないのは、通話終了後も視野狭窄が続くということ。電話は自動車を停めてからにしましょう。
また、人は恐怖を感じると、(汚い話ですが)失禁するそうです。徳川家康が三方ヶ原の戦いで、武田信玄から逃げる時、脱糞したのは有名ですね。
第二次世界大戦に参加した兵士の10~20%がパンツに排便したと答えているそうで、著者は実際はもっと多いだろうと推察しておりました。
そんな中では思考が思考になりませんね。そこでしっかり思考するには、
①何度も現実的な訓練をする。
②ホテル・飛行機・ビルに行った時は、出口や避難経路を覚えておく。
準備しておくということですね。①はなかなかできないかもしれませんが、②は自分が意識すればできます。ちょっとした習慣が身を守ることになりますね。実際、9.11の時は、階段を知らなかった人たちが結構いたらしいです。
更に、著者は、戦闘トレーナーに恐怖を克服する方法を聞いたところ、「呼吸を整えること」と答えたとのことです。それも、とても簡単な方法らしく、
4秒で息を吸う、4秒で息を止める、4秒で息を吐く、4秒息を止める。
これを繰り返すだけらしいですね。
呼吸は恐怖だけではなく、怒りなどを鎮めるにも効果があります。同様に、笑いも恐怖だけではなく、怒りを鎮めるのに効果がありますね。
(続きます)